2010年05月12日

魚の目の葬式 3

L77
L78   翌日、四限の講義を受けるため家を出た。
L79   気持ちのよい秋晴れの昼下がり。見上げた空は高く、
L80  なんとなく気持ちがうわついた。
L81   通い慣れた通学ルート。考え事をしていても、大学に
L82  自然と辿り着くことはわかっていた。
L83   ところが、この前、電車で推理小説なんどを読みふけっ
L84  ていたら、降りる駅を乗り過ごしてしまって、なんだか
L85  戻るのもばからしくなったので、そのまま終点近くの日
L86  暮里駅まで乗っていった末に、有名な羽二重団子という
L87  ものを食して帰ってきた。手みやげはあつらえなかった。
L88  さぼりだからだ。
L89   講義をさぼるのは、私のお得意なので、誰からも何も
L90  いわれなかったし、もちろん母はそんなこと知る由もな
L91  い。
L92   私は、自分の好き勝手に誰の追求を受けることなく、
L93  なんでもやれるだろう。大学は自由だ。それが、この三
L94  年間学んできたことだった。他に得ることもあっただろ
L95  うが、私の身についたのはそれだった。けど、後悔はな
L96  い。
L97   ただ、飽きていた。
L98   短大にすれば良かったかな。とは、何度も思った。
 
posted by にお とよむ at 19:07| 千葉 ☀| Comment(0) | 本編・魚の目の葬式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。