2010年05月25日

魚の目の葬式 13

L259  寂しさを覚えたのはいつからだろう?



弱音
posted by にお とよむ at 23:59| 千葉 🌁| Comment(0) | 本編・魚の目の葬式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月23日

魚の目の葬式 12

L235
L236 「えなー! ご飯、できたわよー!」
L237  階下から母の呼ぶ声がする。
L238  私は勉強するつもりですっかり寝ていたらしい。まぁ
L239 だいたいいつものことだ。
L240  寝ぼけた頭で、はぁーいと返事する。
L241  微かにカレーの匂いがしてくるようだった。
L242  ふと、小さいころこんなふうに誰かに下から呼んでも
L243 らったことを思い出した。…あれは、従兄弟だったか
L244 な? お互い大きくなってしまったら、それぞれ生活す
L245 る場が遠く離れ、もう何年も会っていない。元気でやっ
L246 ているだろうかとさえ気遣うことの無い存在。
L247  そういえば、久しぶりに思い出した。
L248  歳が十以上違ったが、よく鬼ごっこやかくれんぼをし
L249 て遊んでくれた。その上にいた二人のお従姉妹(ねえ)
L250 さんも。その二人も、どこかに就職したとは聞いたが、
L251 その後も続いているのか、結婚したのか、話しは聞いて
L252 いない。
L253  よく考えたら、随分可愛がってもらっていた。
L254  夏祭りも一緒に浴衣を着て連れて行ってもらったり。
L255 花火をしたり。キャンプ場に行ったり。
L256  あのころは、何か特別なことがなくてもころころと
L257 笑っていたような気がする。
L258  そう、一人っ子でも全然寂しいと思わなかった。
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2010年05月21日

魚の目の葬式 11

L205
L206  帰宅すると、まず温かい飲み物を作った。
L207  ミルクコーヒー。ホットコーヒーに牛乳をたっぷりと。
L208  割合でいえば牛乳65%に、コーヒー35%ぐらいか。
L209  どんだけ牛乳好きかと思われそうだが、ほんとは牛乳
L210 は好きではない。だから、いちばん美味しいと思う方法
L211 で多量に摂取しているだけなのだ。信じられない理屈か
L212 もしれないが。
L213  台所のテーブルについて、ゆっくりと飲む。
L214  外気で冷えた体があたたまってくる。
L215  母仕様に掃除された台所で一人の空間を味わった。
L216  気持ちが落ち着いてくると、次第におしりのあたりが
L217 ざわざわし始めた。卒論のことが気になりだしてきた。
L218  こんなにゆっくりしていていいのかな? でも、今は
L219 まだいいや…。参考文献を調べなきゃ。これ飲み終わっ
L220 たら読もう。けど、早く使えるか使えないかを判断して、
L221 次の文献を探さなきゃ。そうだ、けど、もう少しゆっく
L222 りしたっていいじゃない。
L223  なんてくだらない一人問答をしていたら、母が帰って
L224 きた。
L225  がさがさと袋がかさばる音がする。
L226  買い物から帰ってきたらしかった。
L227 「おかえり」
L228 母の顔も見ぬうちから、声をかけると、がちゃりと台所
L229 のドアを開けながら返答した。
L230 「ただいまー。今日はカレーにするわ」
L231 「うんいいね」
L232 「じゃ、これから準備するから」
L233  さて、そしたら私は夕飯ができあがるまで、二階で卒
L234 論にでもむかいましょう。

posted by にお とよむ at 23:59| 千葉 | Comment(0) | 本編・魚の目の葬式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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