2010年05月16日

魚の目の葬式 7

L141  四年にもなると必須科目は少ない。唯一、この講義だ
L142 けクラスみんなが顔をあわせる。
L143  私の数少ない友人たちともだ。
L144 「おっ、ひさしぶり〜」
L145 と、遠田さんが杉山さんと連れ立ってきた。
L146 「どもども」
L147 片手をあげて、答える。
L148  遠田さんとは家の方向が同じなので、だいたい帰りの
L149 時間があえば、一緒に帰った。今日も、一緒に帰るかも
L150 しれない。
L151  二人が席につくと同時に、先生が入ってきた。
L152  前に向き直る。
L153  騒がしさが少し収まりかけ、出席確認が始まった。
L154  私の通う大学は、大学といいながら、クラスがあり、
L155 そのクラスごとに授業を受け、教授らはお互いを「先生」
L156 と呼びあう。そして、私のいる日本文学科は修学旅行へ
L157 も行った。
L158  特にスタイルにこだわるわけでもないが、まるで、高
L159 校の延長のようではないか。
L160  なんとなく、規律に囲われているようだ。
L161  もう少し、自主性がほしいのだ。
posted by にお とよむ at 21:32| 千葉 ☀| Comment(0) | 本編・魚の目の葬式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月15日

魚の目の葬式 6

L122  それぞれが思い思いの会話を楽しんでいる中、自分が
L123 座れそうな席を探して歩く。
L124 「高山さん!」と呼ぶ声。
L125  振り返ると、友達がいた。
L126 「あ。佐藤さん」
L127 と、友人の名前を呼び返した。
L128 「良かったー、どこにいるかなぁって、きょろきょろし
L129 てたんだ、わかった?」
L130 「うん、すっごい探してるなと思って呼んだんだよ!」
L131 「ありがと、ありがと」
L132  いつも始業ギリギリにくるのが私で、トリを取るのだ
L133 が、いつものメンバーが若干足りないようだ。
L134 「杉山さんと、遠田さんはまだ?」
L135 「なんか真田先生のとこに卒論の話ししに行ってるみた
L136 いよ」
L138 「あ、そっか、」
L139 と、それ以上深入りしない。
L140  卒論の話題は鬼門だ。
posted by にお とよむ at 23:13| 千葉 ☁| Comment(0) | 本編・魚の目の葬式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月14日

魚の目の葬式 5

L108  大学の構内に入ると、強いビル風に煽られ前髪が舞い
L109 上がる。いつものことだ。
L110  新しい高層ビルの校舎を建ててから、構内は常に強風
L111 が吹くようになった。全く疎ましいことだ。
L112  せっかく、家でセットしてきた私の手強い髪も、この
L113 風で額に張りつき逆なでされて一発でくずれおちる…。
L114  ほんに疎ましい。
L115  足早に講義室へ向かう。
L116  友達は先にいるはずだ。
L117  私と違って真面目だから。
L118
L119  講義室のドアの前で、一旦立ち止まり、前髪を整える。
L120  そろそろと開けて中に入る。
L121  中のしゃべり声ががやがやと聞こえてくる。

posted by にお とよむ at 23:59| 千葉 ☁| Comment(0) | 本編・魚の目の葬式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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